抽象画家、CBA(シーバ)。40代でデザイナーから画家に転向し、特定のギャラリーに所属していない彼の作品が、今Instagramを通じて売れている。
CBAは1965年に大阪府で生まれた。書籍装幀、雑紙、広告等のグラフィックデザイナーを20年以上経験しながら、セッションベーシストしても過去多くの経験をもち、数々のライブやレコーディング(中でも有名なのは浅野忠信出演の映画「東京ゾンビ」/2005年)に参加している。
型にはまらない表現活動を続けていく中で、画家への転向は必然だったのかもしれない。
2010年の画家宣言後は、コラージュ、ペインティング、ドローイング、映像制作を主とした活動を始めた。
ただし彼がすごいのは、今までの長いキャリアの中で得たノウハウで作品を作るのではなく、積極的な学びを求めて世界各地に滞在している点である。旧態依然のアート市場に留まる日本を飛び出し、世界のアートシーンを肌で感じること。これによって、現在の制作の鍵である「世界のアートの共通言語」を獲得することができたのだ。
特に影響を受けたのはニューヨークとロンドン。そこには無料入場できるギャラリーや美術館が数多く存在し、見て触れる作品を通して小さな子供たちまでもがアートを身近に感じながら生きていた。そのような環境で育った人々は肩書きや権威ある賞がなくとも、自分が良いと思った作品を、素直に良いと言える。そして、カジュアルな価格交渉を経て、気軽に作品を買っていく。各国の家庭において現代アートが日常化している状況を目の当たりにしたCBAは、独学で英語を習得し、積極的に海外発信を始めた。
2013年よりInstagramで作品を発表し始めると、海外ユーザーを中心にフォロワーが増え始め、現在は海外からの購入希望者が後を絶たない。2020年、Franck Muller(フランク・ミュラー)のスペイン・マドリード店での個展開催も、きっかけはコーディネーターがInstagramの投稿を目にしたことだった。異国の地に渡った作品は、全作品がSOLD OUT。CBAの作品に息づく美学が、世界に通じる普遍的な共通言語であると証明されたのである。
意欲的に制作を続けながら、CBAが次に目指すビジョンは、「日本のアート市場を変える」こと。
肩書きや有名ギャラリーの後ろ盾や、有名アートフェスでなければ、なかなかアートが売れない現状を少しずつ変えていきたい。日本にもっとカジュアルなアート市場が拓かれることを願って、彼は今日も世界の誰もが「アガる」作品を描く。
▶︎2021.6/7-9/7 抽象画家CBA(シーバ)の個展を公開中!
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